微積分を使ったわかりやすい「田原の物理」オンライン講座。東大、京大合格他、医学部再受験、学士編入、電験三種、弁理士試験など社会人にもおすすめ

田原真人インタビュー

「物理ネット予備校」の運営者、田原真人は、「田原の物理」を確立したことで有名だ。その田原も、高校時代には「物理の点数が取れない」という挫折を味わったという。フィズヨビには、そんな田原の経験が生み出した「本来の学び」のメソッドが凝縮されている。このインタビューは、なぜ、「田原の物理」は支持されるのか、「フィズヨビ」で何を伝えようとしているのか、「本来の学び」とは何なのか、の全容をまとめたものだ。

 

物理が苦手だった高校時代


 

―田原さんは、中学・高校生の頃から物理が得意だったのでしょうか。

当時、ブルーバックス・シリーズや宇宙の本が好きでした。ところが、高校の物理の授業は、僕の頭の中に広がる物理の世界とはほど遠く、意味不明な公式の暗記ばかり。そのギャップにとまどいました。それでも、要領が良い生徒は公式を覚えて点数を取るのですが、僕は、「それをしたら自分の中の物理が終わる」という危機感を抱き、あえてそうしませんでした。結果的に点数が取れず浪人。予備校では、微積分を使った独自の教え方をしてくれる先生の授業を受けることができました。このときに、「これだ!」と思いました。その後は、早稲田大学応用物理学科で、博士課程まで学びました。

予備校で教えながら、「田原の物理」を確立。


―微積分を使った「田原の物理」は、すぐに受け入れられましたか。

最初の1~2年は、僕のやり方に違和感を覚えた生徒がどんどん授業から抜けてしまいました。特に、ある程度できている生徒に、それまでのやり方を手放してもらうのは難しかったですね。試行錯誤の末、最初の数週間は、そもそも物理とは何か、「田原の物理」がどういうものかを説明しました。するとほとんどの生徒はびっくりするんです。そもそも物理とは何か、なんて聞いたことがないんです。今でもそういうことが大事なんだよという気持ちです。
 

―「田原の物理」は、予備校の人気講座だったそうですね。

「田原の物理」とは、微積分を使って物理を学ぶということですが、当時は「微積分を使うのは、できる生徒に適した方法。できない生徒は公式を暗記する方がいい」と言われていました。僕は、元々できない生徒でしたが、「分かるようになりたい」と願っていました。「誰もが微積分を使って学べる方法を体系化しよう」と思ったのです。予備校で幅広いレベルの生徒を相手に、伝え方を工夫するうちに、わかりやすく教える技術が磨かれ、「田原の物理」が確立されました。

 

―「田原の物理」は何が特徴なのでしょうか。

一つ目が、たとえ話で公式を物語化させること。これは頭の中にイメージをつくる上で役に立ちます。二つ目がステップ式の解法で、概念と手順を結びつけていくこと。これなら、理解したら、自分で手を使って確認できます。三つめが微積分を使って原理から法則を導き解法体系を作っていくこと。原理から法則を導きだせれば、公式をむやみに暗記する必要はありません。「公式を暗記しなくていいなんて楽!」という感想はよく来ますね。これらの特徴により、初めて見る問題でも解けるようになります。信じられないぐらい偏差値が上がった、という声は多いです。

 

動画配信による「フィズヨビ」で「反転授業」を実現


―フィズヨビの財産といわれるQ&Aとphys-Wikiについて教えてください。

Q&Aに10年分以上の質疑応答がストックされ、コンテンツとして今でも成長を続けています。他の人の質問を読むことで、自分とは違う発想を学べるので、理解を深められます。載っていない質問は、浅井さんが親切に答えてくれています。

phys-Wikiは、メジャーな参考書の「田原式の解答」の集合です。微積分を使って学ぶと、市販の問題集の解答とやり方が違うために、勉強しにくいという問題がありました。phys-Wikiではこの点がすっかり解消されました。

これはすごいことだと思うのですが、フィズヨビの受講生が自主的に次々とアップしてくれています。

―お話を伺うと、受講者の方との関係は、いわゆる先生と生徒、という上と下ではないみたいですね。

「好きサイクル」がまわると、学ぶのが自然、となるので、上からやらせたり叱ったりする必要はないですよね。受講者の方とは、イベントなどで顔をみて話すので、なんとなく近しい気持ちになりますね。いろんな方がいらっしゃって、私より年齢が上の方やいろんな仕事についていらしたりもするし、物理の先生も受講されたりするし、私だけが偉そうにしたら、かっこ悪いし不自然ですよね。この雰囲気は、私と受講者の方だけでなく、フィズコムでもそうです。受講者同士で、年齢や性別、立場に関係なく、お互いに尊重する気持ちをもってコミュニケーションがされているのですごくいいなあと思います。

―「好きサイクル」って聞いたことがないですけど、田原さんの造語ですか?

は、はい。予備校で働いていたときに、教務の方から、「困りました」みたいなことを言われることがよくありました。それは、田原先生の授業を受けると、「物理ばっかり勉強するようになっちゃって」という人がたくさんいるんです。特に「困りました」というのが、医学部志望の受験生が物理学科志望に変えてしまうという現象で。。。これはなんなのかなって思っていたんです。フィズヨビでも、受講者の感想を読むと、多くの人が「物理を大好きになった」とどんどん「はまっていく」んですよね。それで、この現象を、抽象化してシンプルにして「好きサイクル」と勝手に名付けました。
 

―「好きサイクル」ってまだよく分からないですが。誰でもまわせるんですか。

たとえば、スキー板をつけてはじめてすべるとします。自分でいろいろやってみると、こういう風にできるなと思います。そうなると、もっとすべってみたいと思いませんか。分かった、楽しい、できる、もっとやりたい、の仕組みって単純だと思うんです。でも、いろんな要因で、それが機能しなくなってしまいます。だから、「好きサイクル」をまわす補助輪があるとよくて、それがフィズヨビなのかなって思います。

 

―田原さんは、どんな人に「フィズヨビ」で学んで欲しいですか。

高校の物理の授業は進度が早く、わからなくても点数を取らないといけません。そうしたプレッシャーを感じている高校生に、「理解して→感動して→問題が解けて→成績が伸びる」という本来の学びの姿を知って欲しいですね。明るい気持ちで学んだほうが、結局はうまくいくというのが僕の持論です。

また、物理が苦手なことが、やりたいことの障害になっている人にも、そんなに難しくないかもよ、と言いたいですね。フィズヨビでは、ほぼゼロの状態から学んだ社会人が、医学部に合格する例も出ています。また、電験3種、弁理士試験などにも合格者を出しています。

ただ物理に興味がある、という人にも来てほしいです。田原の物理は、もちろん入試を意識していますが、そこで学ぶことは、物理の本質です。だから、目的はないけど面白そうだから、という人も大歓迎です。
 

学びの感動体験が生きる力、人生を切り開く力に。


 

―田原さんにとって、物理を学ぶ楽しさとは?

物理はロジックで、学びは生き物ならではの感動体験です。この、ロジックと生き物の組み合わせの世界、つまり、物理の概念と自分の体験がガチャンとかみ合ったときに、「分かった!」という感動体験が起きます。そして、また前に進む。その繰り返しが、僕の生きる力、人生を切り開く力になっています。

 

―人生を切り開く力、っていいですね。

楽しく学ぶことを肯定した「好きサイクル」は、人生を切り開く力になると思います。フィズヨビをきっかけに人生が変わりました、っていう声が本当に多いんですよね。苦しくても勉強しなくてはいけない、って歯をくいしばるよりも、フィズコムで仲間と一緒に楽しい経験を共有しながら学ぶほうが、実際は結果も出ると思います。そういうことが、僕が伝えたいことです。